英語の音声認識ソフトにちゃんと認識してもらえる発音を手に入れる方法教えます!

英語の音声認識ソフトにちゃんと認識してもらえる発音を手に入れる方法教えます!

英語力ゼロ、英語欲もゼロ、だった人生が、一変。「英語に苦しむ人をこの世から一人でも多く減らしたい」をモットーに活躍中の超一流予備校講師斉藤健一さん。独学中に経験した笑える失敗談と、そこから得た発見や英語の視点について共有いただく連載「七転び八起き英語」の第3回は、アクセントのない母音が簡単に発音できる方法です。

音声認識ソフトに向かってchocolateと発音してみよう!

こんにちは!英語講師の斉藤健一です。連載「七転び八起き英語」の最後となる今回は、リスニング勉強法についてお話させていただきます!

いきなりですが、chocolate(チョコレート)を口に出して発音してみてください。できたらSiriなど音声認識ソフトに向かって発音し、正しく発音できているかを確認してほしいです!(設定を英語認識にするのをお忘れなく!)

・・・いかがだったでしょうか?

ちゃんとchocolateと認識してもらえたでしょうか。これ、よく予備校で生徒にやってもらうのですが、なかなか認識してもらえないんですよね。chocolateと似ている単語はそんなにありません。なので、認識できてもいいはずですよね。でも不思議と何度やっても認識されないことが多いのです。いったいどうしてでしょうか。

英語ではアクセントがない母音は「あいまい音」になる

前回までの記事の中でもお話しさせてもらったように、英語は文字と音声が乖離(かいり)していることが多いのです。それなのに、多くの日本人はほとんど文字だけで英語を勉強しています。それでは文字と音の乖離は縮まりません。リスニングもなかなか上達しないのは仕方がないです。

では、日本語で「チョコレート」と発音するときと、英語でchocolateと発音するときでは何が違うのか考えてみましょう。

まず日本語の「チョコレート」は何文字でしょうか。子どもの頃「グリコじゃんけん」で遊んだ記憶はありますか。グーで勝ったら「グ・リ・コ」と数えて3歩進む、みたいな遊びですが、あのノリで指を折りながら数えてみてください。

「チ・ヨ・コ・レ・イ・ト」で、6文字ですね。日本語はこの「chi・yo・ko・re・i・to」のように単語を「子音+母音」で1つの文字として分解することができます。

一方、英語は?

「cho・colate」のように、アクセントがあるところ「cho」とそうでないところは区別しますが、それ以上細分化して発音するなんてことはしないし、できません!

英語ではアクセントがあるところ以外の母音は基本的に「あいまい音」になるため、アクセントがあるところ以外の母音はサササッと発音されるのです。

無理やり文字で表すと、chocolateの音は「チョ・klt」です。音声体系のメカニズムが全然違うんですよね。この話は、動画で詳しく説明しているので気になる方はこちらへどうぞ!

「通訳コンテスト」での赤っ恥体験

リスニング克服の第一歩は、「文字と音の乖離をなくす」ことです。リスニングで苦労したくない皆さんは、今後英語は文字だけで勉強することはやめて、常に音声を確認し、発音・音読しながら勉強してください。

僕は大学に入学するまで、音声面の勉強を全くしてこなかったので、非常に苦労しました。

大学入学して間もない頃の話です。大学で「通訳コンテスト」というのが開催され、無謀にも挑戦してみることにしました。同時通訳ではなく、逐次通訳といって一定量聞いた後、まとめて通訳する方式で、「それなら和訳と変わらないのでいけるだろう」と思っていたのですが・・・舐め過ぎでした。全く聞こえないのです。

出場者は10人で、会場にはたくさんの大学生や大人の方が見学に来ていました。一人一人通訳していく形式で、僕の番は確か5番目くらいでした。ベストな順番です。スピーカーの英語に慣れることができるし、待ち過ぎて緊張感が途絶えることもないな、と思いニヤリとしました。

でもその余裕の気持ちは、一人目の通訳で吹き飛びました。僕には全然英語が聞き取れません。なのに、出場者は皆一生懸命訳しているのです。僕は「絶対に無理。きっとみんな聞こえてきた単語から推測して適当に時間を伸ばしているに違いない」と思いました。

「どうせ間違えても観客にばれないだろうから堂々とわかっているフリをしてしまえ・・・」そう思っていました。しかし自分の番の直前、とんでもないことに気付きます。

観客の方をチラっと見ると、皆さん、何か冊子のようなものを持っており、英語が読み上げられているときはそれを目で追っているのです。「え、もしかして皆さんスクリプトをお持ちでいらっしゃる・・・」と顔が青ざめた瞬間、僕が訳す番がきました。

ステージまで歩いていき、椅子に座りメモをとる体制をとり司会者の方を見て、コクリと頷き準備万端だという合図を送ると、英語がバーっと読み上げられました。

やはり、まったくわからない・・・。とにかく何とか聞こえてきた「ロシア」という単語だけメモをしました。読み上げが終わり、Mr. Saito, please.と聞こえてきました。とにかく、話を作るしかない!そう思ってメモを見ても、一言「ロシア」と書いてあるだけです。

ロシアが・・・
ロシアを・・・・
ロシアに・・・・・

ロシアと言いながら「最近ロシアであったニュースを思い出せ!」と頭の中でぐるぐる検索しましたが、何も思い出せませんでした。

そしてついに、「ロシア・・・That’s all. Thank you very much.」とロシアだけを連呼して終わってしまったのです。

拍手が少し聞こえてきましたが、恥ずかしくてたまりませんでした。しかも後からわかったのですが、「ロシア」は出てきていなかったのです。唯一聞き取れたと思い連呼したロシアですら間違えだと知り絶望しました。

スクリプトを持っている観客の方は皆頭に「?」が浮かんでいたことと思います。この出来事は未だに「ロシア事件」として部内で語り継がれているのだとか・・・。

しかしこれが僕のリスニング克服魂に火をつけました。ロシアの発音を電子辞書で確認しました。するとびっくりです。「ラ・シャ」と言っているのです。僕がロ・シ・アと思っていた単語は「Ru・ssia」だったのです。

いったい何をロシアと聞き間違えたのかはわかりませんが、とにかく音と文字があまりに乖離していることを知り、そのとき、音声中心の英語学習をしていく覚悟を決めました。

その3年後にはESS通訳セクションの部長になり、通訳大会で優勝などするようになったのですが・・・正直に言って、1、2年ほどは結果が全く出ませんでした。毎日毎日英語ばかりを音声活動を中心にしていたのに、そんなに時間がかかったのです。

当時リスニングの試験がなかったので、saidを「セイド」と覚えていたり(正しくは「セッド」[sed]です)、もうむちゃくちゃで、リハビリにとても苦労しました。

耳と頭を使って「発音とアクセントの知識」を増やそう

知っている単語でも、音として認識できなければ聞けるはずがありません。

毎年50万人もの学生が受験する「センター試験」ではずっと「発音・アクセント問題」が出題されていました。いくら批判がこようとも最後まで出題し続けたのは、「文字と音の乖離をなくすことが大事だ」という作成部会側からのメッセージだったのではと思います。

共通テストに変わりこの問題形式はなくなってしまいましたが、配点が増したリスニング対策として、耳と頭を使った「発音とアクセントの知識」は増やし続けるべきでしょう。

もう一度言います。リスニングが苦手な人は、とにかく音と文字の乖離をなくすために、音声を聞き、自分で発音する習慣をつけてください!僕は今後もYoutubeなどで「発音アクセント」についての配信をし続けていきたいと思います。興味がある方はYoutubeチャンネル「数学・英語のトリセツ!」にてご視聴いただけたらと思います。

連載は最後になりますが、最後まで応援くださり誠にありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。

今回の「リスニング」の更に詳しい解説をこちらのYoutubeでもしています!
是非ご覧ください!

斉藤健一さんの本

ポケット英文法

ポケット英文法

 

2週間無料でお試しできる!プレミアムメンバーシップ

プレミアムメンバーシップ2週間無料

月額980円(税抜)のプレミアムメンバーシップに会員登録をしていただくと、「PREMIUM」エリアに公開されるすべての有料記事へアクセスができます。 ほかにもアルクの電子書籍の購読、イベント優待など、学習のモチベーションを継続させるためのさまざまコンテンツをご用意していく予定です。 まずはぜひ、2週間無料でお試しください。

f:id:miraclenachan:20200610155835j:plain

文:斉藤健一(さいとうけんいち)
福岡生まれ。高3で英語の偏差値37から英語学習をスタート。大学在学中は毎日英語に没頭し、通訳コンテスト優勝、ディベート大会特別選抜などを経て、一度も海外生活を経験せず完全国内学習で英検1級取得。東進ハイスクール「第一回講師オーディション」に50倍の倍率を勝ち抜き合格。英語の授業が大好きで、現在も地元九州で講師を続けつつ、YouTubeチャンネル「数学・英語のトリセツ!」にて英語のレッスンが配信されている。英語学習応援オンラインサロンOPETS大学受験予備校OPETSハイスクール、年齢無制限の英語暗唱コンテスト、「絶対に日本語をしゃべってはいけない」国内留学合宿、など、英語学習に関連する事業を複数手掛け、その様子は地元九州でたびたびメディアに取り上げられている。著書『大学入試 関正生の英語の発音・アクセント プラチナルール』(KADOKAWA)、『ポケット英文法』(FALE出版)。iOSアプリ「スピード英文法」監修。
Twitter: @saiken_english

編集:増尾美恵子