表現力を高めるには「使いこなせない表現」を洗い出す【英字新聞スーパー活用術③】

表現力を高めるには「使いこなせない表現」を洗い出す【英字新聞スーパー活用術③】

英語学習で最も取り組みやすいことの一つは、英語を「読む」こと。リーディングのコンテンツにはさまざまな種類がありますが、ここでは「英字新聞」に着目。英語学習者向けの英字新聞『The Japan Times Alpha』編集長の高橋敏之さんに、「会話力向上」に特化した学習法を教えていただきます。全3回の第3回。

第1回の記事はこちら
第2回の記事はこちら

活用術4:表現力を高める

自分が使いこなせない表現を洗い出す

「自分がこの英語を使うとしたら、果たして使えるだろうか?」と、アウトプットを念頭に置いてインプットすることが最も効率よく表現力を高める方法です。「使えないだろうな」と思ったときはすぐにメモ。言いたいけれど言えなかった表現や、読んでいて自分では使えそうにないと感じた表現をメモしておくと、意外と記憶に残るものです。

また、記事を読み終えたら、3文程度に要約してみましょう。慣れないうちは本文から大事と思える文をそのまま抜き出すのでもオーケーです。要約を通じ、本文の表現を自分でも使ってみることが大事なのです。「本文をなぞるだけでも勉強になるの?」と思うかもしれませんが、ただ読むだけなのと、要約を通して自分で使ってみるのとでは大きな差があります。読んでインプットしたものを要約という形でアウトプットする。これを1年繰り返せば、相当力が付きますよ。

活用術5:学習者向け英字新聞で語学を継続する

続けることが力になる

 『The Japan Times Alpha』では、Newsのコーナーに関しては学習者向けにオリジナルをリライトしている記事はほとんどありません。「Easy Reading」というコーナーで取り上げるものには、一文を短くするなどのリライトを加えていますが、ほかは語注を付ける程度です。

ただ、1つの記事の長さはだいぶ違います。日刊『The Japan Times』では1000ワードほどになる内容の記事でも、Alphaに掲載する際は半分ほどの長さにします。短いものは100 ワード程度ですから、スラスラ読めるようになると40秒ぐらいで、中高生でも1分少々で読めるボリュームになっています。また、一部のニュースについては、耳を鍛えるための音声素材を会員制サイトで提供しています。

Alphaは、ニュース記事以外に読み物や学習コンテンツが豊富なことも特長の一つです。読者が好きなコンテンツを選んで読めるよう、バラエティー豊かな構成になっています。メインターゲットはビジネスパーソンですが、小学生から100歳を超えるお年寄りにまで幅広く愛されています。記事の概要を日本語で入れたり、学習コンテンツとして表現クイズを設けたりと、英語学習者が気軽に、自分に合った使い方ができる工夫を織り込んでいます。

「子どもがエンタメの記事しか読まない」と嘆くお母さんから相談を受けたこともありますが、「エンタメだけでも構わないので読み続けて」とアドバイスしました。好きなコーナーだけでも毎週読み続けていけば、必ず力になります。

絶対に目標達成したい人、必読

英語学習者向けの週刊英字新聞『The Japan Times Alpha』編集長が、英語の勉強について迷っている人、過去に挫折したことのある人に贈る学習法の本。英語学習に対する誤った思い込みを正し、「ネイティブの話すスピードについていく英語の処理能力を身に付けるには?」「頭に入れるだけでなく、忘れない最強のインプット法とは?」など、目的に到達するためのノウハウを丁寧に解説します。

『ENGLISH JOURNAL』2020年7月号の特集は「英語の距離感」

『ENGLISH JOURNAL 』最新号の特集は「英語の距離感」。「白黒はっきりした言語」「敬語が存在しない」などと認識されがちな英語ですが、果たしてそれは本当なのか、特集で詳しく検証します。

Toshiyuki Takahashi

高橋敏之(たかはし としゆき)

『The Japan Times Alpha』編集長。ジャパンタイムズ入社後、英語学習紙編集部配属となり、国際ニュースページや英語学習コラムの執筆等を担当。2012年10月より現職。企業・大学での英語研修や英語学習に関する講演会等も多数実施。英字新聞で英語力を飛躍的に高めた自身の経験から、娯楽性と学習効果を両立させた最高の英字新聞を作ることをライフワークにしている。TOEIC990点、英検1級。

取材・文:吉澤瑠美

※本記事は『ENGLISH JOURNAL』2020年7月号に掲載した記事を再編集したものです。