赤ちゃんの言語習得のヒミツが分かれば、英語学習へのヒントが見えてくる!?

7月号の英作文テーマは「言語習得」。『ENGLISH JOURNAL』7月号の"Lecture"に掲載された、言語学者の藤田保さんによる講義を参考に英作文をしてみませんか?

今月のテーマは「赤ちゃんの言語習得のヒミツ」

みなさんは普段どのように英語を勉強していますか?「効率の良い勉強方法が分からない」という方や、「勉強はしているけれどなかなか話せるようにならない」という方は、赤ちゃんがどのように言語を習得するのかに目を向けてみると、これからの英語学習のヒントが見えてくるかもしれません。

『ENGLISH JOURNAL』7月号の"Lecture"では、「赤ちゃんはどのように言語を習得するのか」という疑問に対するさまざまな見解が紹介されています。DNAに言語習得装置が組み込まれているという遺伝子要因説から、周囲の大人との関係が言語習得に大きく影響しているという環境要因説まで、専門的な視点から言語習得について学ぶことができます。

あなたの英語学習の経験にどのように当てはまっているか考えてみましょう。

今月の英作文はどんなことを書く?

プレミアムメンバーシップS&Wでは、毎月のテーマに関する4つのお題の中から1つ選んで、150ワード以上300ワード以内の英作文に挑戦します。今月のお題は以下の4つです。

①今回のレクチャーにあるさまざまな見解は、あなたの語学学習の経験にどのように当てはまっていると考えますか。
How do you think the ideas in this lecture fit into your own language learning experience?

②今回のレクチャーの中のどの見解に最も賛成しますか?
With which idea in this lecture do you most agree?

③今回のレクチャーで説明されている3つの見解を要約してください。
Summarize the three ideas as explained in this lecture.

④第1言語習得と第2言語習得の違いはなんですか?
What is the difference between first language acquisition and second language acquisition?

今月のサンプル英作文

月のテーマのサンプル英作文です!3番目のお題に回答しています。このサンプルは255ワードあります。分量や構成など、参考にしてみてくださいね。

③今回のレクチャーで説明されている3つの見解を要約してください。
Summarize the three ideas as explained in this lecture.

     The lecturer explains three different approaches toward language acquisition-the behaviorist approach, the innatist approach, and the interactionist approach.

     The behaviorist approach is based on psychological behaviorism, which was popular around 80 years ago. It is the theory that everyone is born with an empty mind and everything is learned after birth. When it comes to language acquisition, it was believed that children learn language through imitating their parents. Children store sentences in their heads by
listening to the speech of adults and the use of them. Children repeat this process again and again, as they get used to saying the correct sentences.

     Chomsky showed the behaviorist approach to be incorrect. Chomsky proposed the LAD (Language Acquisition Device) , a neuro-linguistic system in which everyone is biologically programmed and is able to develop their language system genetically. Therefore, newborn babies can acquire their first language in a short time regardless of the environment in which children grow up.This is the innatist approach.

     When it comes to the interactionist approach, a Swiss psychologist Piaget and a Russian psychologist Vygotsky proposed that the environment in which children are born and raised is important for their language acquisition. It is believed that children acquire their language through social interaction or scaffolding. Providing language support for children can help them move from simple language to more complicated language. Once children start to express themselves with less help from grown-ups, the adults can reduce guidance they give to children step by step. That’s why interaction or scaffolding is essential for language acquisition.

おすすめサブテキスト

今月のテーマに関連するENGLISH JOURNAL ONLINEの記事&英文記事・動画の一覧です。英作文を書くための背景知識や、表現、フレーズなどを学ぶサブテキストとしてご利用ください。

ENGLISH JOURNAL

動画

The Linguistic Genius of Babies

赤ちゃんの言語習得に関する驚くべき発見が紹介されています。アメリカ人の赤ちゃんと日本人の赤ちゃんの比較実験を通して、なぜ日本人がRとLの音の違いを認識できないのかについても解説されています。

Vygotsky and Scaffolding

今回のレクチャーに出てきたZPDとScaffoldingについて簡潔に説明されています。

Noam Chomsky on Language Aquisition

今回のレクチャーに出てきたチョムスキーの理論について簡潔に説明されています。

15分でできる!ENGLISH JOURNALを使ったおすすめスピーキングトレーニング!

最後に、プレミアムメンバーシップS&Wのテキスト『ENGLISH JOURNAL』の"Lecture"を使ってできるおすすめのトレーニング方法の1つ、『シャドーイング』をご紹介します。もともとは同時通訳のトレーニングとして行われていましたが、一般の英語学習者にとってもリスニングやスピーキングの強化などに大変役立つ勉強方法です。

シャドーイングすることで「発音」、「アクセント」、「リズム」を改善することができます。また同時に「リスニング」、「スピーキング」、「語彙」の強化にも繋がります。

トレーニング方法

"Lecture"全体は少し長いので、数パラグラフごとに区切って練習するのがおすすめです。今回の"Lecture"は全部で19パラグラフあるので、5パラグラフずつを1週間で進めて、1か月で全パラグラフのシャドーイングをしましょう。また、p. 146にあらかじめ短いシャドーイング用のトラックも用意されています。まずはそれから挑戦してみるのもよいかもしれません。

STEP 1. レクチャーの音声を集中して聞く (Max 3回)

まずはテキストを見ずに音声を聞きます。何の話をしているか考えながら聞きましょう。

STEP 2. テキストを確認

文章を一度読んで、聞き取れなかった部分や、分からない単語・文法を調べ、内容を全て理解します。

STEP 3. 英語特有の音をチェック

英語特有の音の変化、リンキング(ふたつの英単語を繋げて、一つの英単語のように発音すること)やリダクション(本来のスペリング上発音されるべき音が弱く発音されることで変化したり、または全く発音しないこと)がおきている箇所をチェックし、テキストに記入します。

記入例

発音確認記入例

※ これはあくまで記入例です。ご自身の方法でチェックを入れましょう。

STEP 4. オーバーラッピング(目安3回)

テキストを見ながら、音声と同じタイミングで声に出して読みます。STEP 3でチェックしたリンキングやリダクションを意識して読みましょう。

STEP 5. シャドーイング (目安5回)

テキストを見ずに、音声だけを頼りにシャドーイングします。

STEP 6. 自分のシャドーイングを録音・確認

自分のシャドーイングを録音し、テキスト音声と聞き比べて、発音できていなかったところや、リズム、イントネーションが正しいかを確認します。

STEP 7. シャドーイング(目安3回)

もう一度シャドーイングに挑戦。慣れてきたら、文章の意味にも意識を向けて、練習を重ねていきましょう。

つまずきポイントと解決方法
  • 音は聞き取れているが、意味がすぐに出てこない場合
    →文字を見て単語の意味を覚えるのではなく、音を聞いて意味を覚えるトレーニングをしましょう。
  • 文の構造が瞬時に把握できなかった場合
    →テキストを見ながら、1文ごとに文章構造を細かく確認しましょう。

シャドーイングは習慣づけて毎日行うことが非常に大切です。慣れてくると15分程度でできるトレーニングなので、ちょっとしたすき間時間を有効活用して行ってみてくださいね。

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