ここに要注意!場面別・ビジネス英語マナー【後編】~上司や同僚とのやりとり・つながりを築く

ここに要注意!場面別・ビジネス英語マナー【前編】~初対面のとき・ミーティングや折衝

海外ビジネスで百戦錬磨の岡田兵吾さんが20数年の経験から学んだというビジネス英語マナーを、2回に分けて場面別にご紹介します。今回はその後編です。

上司や同僚とのやりとり

上司は決して威張らない

日本の縦社会に対し、グローバル社会は横社会です。マイクロソフト シンガポールにいるフィリピン人役員は、最年少で役員昇進を果たした超エリートで私よりも立場が上ですが、その彼は、私が話し掛けるたびに必ず立ち上がり、私の目を真っすぐ見ながら、How can I help you, Hyogo? と、穏やかに応えてくれます。

またアジアの元CFOもとてもオープンな人柄です。以前、同じエレベーターに乗り合わせて重量オーバーになったとき、自らぱっと降りて、「最近ダイエットが必要だから階段で降りるよ」と笑顔を見せてくれたことが印象的でした。

下への言葉もポジティブで丁寧―私は彼らのような人たちこそが、あるべき上司の姿ではないかと思っています。私も彼らの姿勢にならい、他人に対して、I count on you!(期待しているよ!)などと前向きな言葉を掛けるように心掛けています。

部下は反対意見の表明を恐れない

グローバル社会では、異なる意見をぶつけ合ってこそ、新しい発見があると考えます。また仕事ができる上司ほど、反対意見を言える部下を評価します。

それがわかっている部下は、上司と反対の意見を口にすることを恐れません。ただ、ビジネスでは直接的でむき出しの英語は、誰に対しても失礼に当たります。そこで必ず、I’m sorry, but ~、I’m afraid ~, but ~、Honestly speaking、To tell the truthといった前置きから切り出します。

I’m sorry, but I have a different opinion. と、字面はきつくても、穏やかな口調で丁寧に話すので問題はありません。

上司は自分と違う考えや異なる発想を常に求めていますから、興味を持って耳を傾け、それが業務や会社にとって役立つ意見であれば、積極的に評価してくれます。What do you think we should do, then?(ではわれわれはどうすべきだと思う?)と、さらに部下の意見を求めることもよくあります。

依頼の表現を使い分ける

上司と部下の間では、お願いや頼みごとのやりとりも頻繁です。

人に何かを頼むとき、私は部下に対しても、Will you ~? やCan you ~? は使いません。より丁寧なWould you ~? やCould you ~? を使います。

さらに丁寧なCould you possibly ~? という言い方もあります。主に外部に対して、Could you possibly send us an estimate?(見積もりをお送りいただくことは可能でしょうか?)のように使いますが、頼みごとの中身によっては、親しい友人や会社の仲間に対しても使用することがあります。

ダイバーシティーの真ん中に身を置いてみて、私はAssume the best という言葉が、とても大事に思えてきました。いろいろな人がいますが、一人ひとりにその人の考えがあり、それぞれがベストを尽くしているに違いないという意味です。そう思えるから、私たちは互いに寛容でいられますし、それが「人に伝える英語」の原点だと思います。

使える表現例

上司から部下

I’m always impressed with your work.
あなたの仕事にはいつも感服しています。

部下から上司

Honestly speaking, I can’t agree with your plans.
率直に申し上げて、あなたの計画には賛同できません。

丁寧な依頼

I just wondered if you could spare a minute.
少しお時間を頂けると助かります。

つながりを築く

知らない人に声を掛ける

パーティーやイベントは、仕事以外の人脈を広げる絶好の機会です。知った顔がまったくないときは心細いですが、ションボリしていては何も始まりません。勇気を出して自分から、周りの人に声を掛けましょう。最初のひと言は、Are you enjoying yourself? でも、Having fun? でも、It’s hot, isn’t it? でも、何でもいいのです。

話し掛けてみて、相手の英語がよくわからなかったら、ここでもまた質問作戦です。「ステキに日焼けしていらっしゃいますね。何かスポーツでも?」「犬を飼っているのですか? 写真が見たいなあ」。自分の話をするのが嫌な人は、パーティーにはまず来ていませんから、自分がしゃべれないなら、相手にしゃべってもらいましょう。

楽しさを広げる笑顔の効果

英語があまりできなかった頃、話し相手がいないパーティーで、私は何度もさみしい思いをしました。それでも頑張って実行したのが、とにかく笑顔をキープすることです。笑顔の人がそばにいて、不快に思う人はいません。しかも自分が明るく陽気だと、ミラー効果で周りにも笑顔が広がっていくのです。

そこで思い出すのはジム・キャリー主演の映画『マスク』(1994)です。気弱な男がマスクを着けると、人格がガラリと変わるのです。It’s party time! というご機嫌なセリフが非常に印象的でした。

メラビアンの法則によると、コミュニケーションで重視されるのは、言葉よりも、圧倒的に非言語情報だといいます。話の内容を中心とする言語情報の重要度は7%ほどにすぎず、聴覚情報が38%、視覚情報が55%という割合で、人の印象が決まるというのです。映画の主人公がマスクで変身したように、聴覚情報・視覚情報のバージョンアップも、よりよいコミュニケーションには必須なのではないかと思います。

招待への感謝を伝える

あなたも見えないマスクを着けて、変身してみましょう。ビュッフェコーナーに、おいしそうな料理が出ていますよ。一つつまんだら、オーバーなくらいに感情を込め、満面の笑みでILOVE this! と叫びましょう。It’s really good!、I’ve never eaten this kind of great food before!、Why don’t you try this one? It’s so tasty! いくらでも言葉が出てきます。あなたの楽しそうな様子を見て、みんなも愉快な気分になってきます。

と、私はそうやって、数々のよき出会いに恵まれてきました。プライベートな集まりで偶然話をした人が、大手グローバル企業のCEOや有名な投資家だったと、後で知って驚いたこともありました。

パーティーの終わりに、招いてくれた方へのあいさつはお忘れなく。Thank you VERY much for inviting me today. I REALLY enjoyed it. 心からの笑顔でそう伝えれば、きっとまた声を掛けてくれるでしょう。

使える表現例

声を掛ける

You seem to be having a lot of fun!
とても楽しんでいらっしゃるようですね!

笑顔で言う

This is an amazing party!
素晴らしいパーティーですね!

感謝を伝える

Thank you for inviting me to a wonderful event like this.
このような素晴らしいイベントにご招待いただき、ありがとうございます。

必須マナーから今注目のキーワードまで「ビジネス英語最前線」

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岡田兵吾(おかだ・ひょうご)
マイクロソフトシンガポールアジア太平洋地区ライセンスコンプライアンス本部長。著書に『ビジネス現場で即効で使える非ネイティブエリート最強英語フレーズ550』(ダイヤモンド社)、『 すべての仕事を3分で終わらせる外資系リーゼントマネジャーの仕事圧縮術』(ダイヤモンド社)がある。ダイヤモンド・オンラインにて「STAY GOLD! リーゼントマネジャー岡田兵吾の『シンガポール浪花節日記』」を連載中。