「相手に伝わる英語を話す」ビジネスの極意とは?大事なのは3つの「C」

「相手に伝わる英語を話す」ビジネスの極意とは?大事なのは3つの「C」

教科書どおりの英語を使うと悲劇のもと?マイクロソフトシンガポールのアジア太平洋地区ライセンスコンプライアンス本部長として活躍中の岡田兵吾さんに、「相手に伝わる英語」の極意をお伺いします。

ビジネス英語は発音より丁寧さ

グローバルビジネスの世界では、流暢な英語を話すことは、それほど重要ではありません。私が暮らすシンガポールでは、シングリッシュと呼ばれるクセの強い英語が話されますが、それでも立派に、世界に通用します。もちろん、洗練された美しい英語を話せるなら、それに越したことはありません。しかし発音が少し変でも、時々文法を間違えても、伝えるべきことは伝えられますし、仕事の英語はそうあるべきだと思います。

いろいろな国の人たちが入り混じる職場では、私たちが想像する以上に、人を嫌な気持ちにさせない、気配りのある話し方が求められます。

例えば誰かに質問されて、さあ、自分にはわからないというとき、あなたなら何と答えますか?I don’t know. でも、間違いではありません。しかしこの言い方だと、突き放すような印象を相手に与えがちです。

こういうときは、I’m not sure but ~ のような柔らかい言い方をします。そして、I guess、I assume、probablyといった言葉を使って、不確かであっても自分が知っていることは、できるだけ伝えるようにします。相手をサポートする気持ちを表すことで、同じ「わかりません」でも、丁寧で感じのよい、しかもポジティブな言葉に変わるのです。

英語の世界で仕事をするというのは、人口約1億2700万人の日本から、15億人の世界へ飛び出すということです。圧倒的な多様性の中では、相互に信頼と尊敬を育てていかないと、仕事は円滑に進みません。だからグローバルな環境で働く人ほど、ネイティブも非ネイティブも、相手を気遣う丁寧な英語を使いこなしています。

原動力は、自分の中の「伝えたい想い」

伝わる英語の原動力は、自分の中にある「伝えたい想い」だと私は思っています。新しいプロジェクトを前に、この情熱をみんなとシェアしたい。明日のプレゼンで、これだけはしっかりクライアントに伝えたい。あるいは、失敗して落ち込んでいる仲間を励ましたい。強い想いがあるからこそ、それが表情や声の調子に表れて人を動かすのです。ですから聞く人を引き付け、巻き込んでいけるよう、声を張り明るい表情で堂々と話しましょう。身ぶり手ぶりも、大げさなくらいでちょうどよいのです。

大切なミーティングがある日、私は朝起きると腕立て伏せをします。おなかから大きな声が出るように、シャワーを浴びながら発声練習もします。ついでに苦手なLとRを意識して、口がよく回るようにウォーミングアップします。そして仕上げは鏡の前でビッグスマイル。力がみなぎった状態でミーティングに臨むのです。すべては、前向きで熱いトークに、みんなを巻き込むためです。

言葉は職場の連帯を強める上でも大切です。グローバルビジネスにも協調性は不可欠ですが、この場合の協調性とは、チームの成果を最大化するために、みんなの力を結集することです。世界で英語を話す人の8割は非ネイティブですが、みんなそれなりの英語を使って、チームプレーに参加しており、「英語が苦手」は通用しません。自分の考えは臆せず述べる。わからないことはどんどん聞く

仲間の英語が聞き取れなければ、わかりやすく話してくれるよう頼みましょう。聞く人が理解できるように話すのは、話し手の責任ですから、聞き取れないとき、意味がよくわからないときは、遠慮なく尋ねてよいのです。日本人らしく黙っていては、人に伝わる英語は永遠に話せません。

明瞭、簡潔、具体的に話そう

ビジネス英語は、やはり仕事を通して身に付く部分が大きいと思います。特に自分や他人の失敗には、学ぶことがたくさんあります。

私が英語のコミュニケーションで悩んでいた時期には、非ネイティブの同僚たちがどんなふうに話しているかを一生懸命観察していました。あるとき、仲間が一人の上司の話を一瞬聞き逃し、すかさずOnce more, please.と言ったのです。上司はその部分の話を繰り返しましたが、私は彼がいい顔をしていないことに気付きました。

Once more. 「もう1回!」という言い方では、Pleaseを付けて言っても、受け手の耳には命令されているように聞こえるのです。こうした場合は軽くSorry? と言う方 が失礼に当たらないと、この一件で私は学びました。これから海外で仕事をしようという人は、英語の敬語的表現をしっかり理解しておくとよいと思います。

さて、かつてのインド人の上司は、ビジネス英語の秘訣を私に教えてくれました。 「非ネイティブの私たちは、無理にきれいな英語を話そうとする必要はない。代わりに3Cを意識して話してごらん」

仕事できちんと人に伝わる英語を話したければ、「明瞭Clear」、「 簡潔Crisp」、「具体的であることConcrete」を大事にする。私たち非ネイティブは美しいイギリス英語を話せないし、話す必要もない。それよりも、しっかり伝わる「論理的で構造化された英語」を話せと、彼は私に教えてくれたのです。

この3つの「C」、そして、聞く人のことを考えた丁寧な話し方を心掛けること。ぜひ実践してみてください。

必須マナーから今注目のキーワードまで「ビジネス英語最前線」

『ENGLISH JOURNAL』6月号の特集は「ビジネス英語最前線」。マナーやキーワードなど、ぜひ押さえておきたいビジネス英語の「今」をお届けします。ぜひ本誌を手に取ってご覧ください!

こちらもおすすめ!

ビジネスの現場で使える英語フレーズのみならず、社会人として持っておきたい姿勢まで身に付く一冊です。

ビジネス現場で即効で使える 非ネイティブエリート最強英語フレーズ550

ビジネス現場で即効で使える 非ネイティブエリート最強英語フレーズ550

  • 作者:岡田 兵吾
  • 発売日: 2019/09/05
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

f:id:moutainbook:20200518160747j:plain

岡田兵吾(おかだ・ひょうご)
マイクロソフトシンガポールアジア太平洋地区ライセンスコンプライアンス本部長。著書に『ビジネス現場で即効で使える非ネイティブエリート最強英語フレーズ550』(ダイヤモンド社)、『 すべての仕事を3分で終わらせる外資系リーゼントマネジャーの仕事圧縮術』(ダイヤモンド社)がある。ダイヤモンド・オンラインにて「STAY GOLD! リーゼントマネジャー岡田兵吾の『シンガポール浪花節日記』」を連載中。