
「英語には敬語はない」と聞いたことはありませんか?確かに、日本語のように相手によって使い分ける謙譲語や尊敬語はありませんが、丁寧な表現や感じのいい表現は存在します。ビジネスパーソンなら、ぜひ覚えておきたいもの。『礼儀正しく、的確に伝える 敬語の英語』から5つの表現を紹介します。

- 作者: デイビッド・セイン,佐藤淳子
- 出版社/メーカー: ジャパンタイムズ
- 発売日: 2018/03/02
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
①「失礼ですが~でしょうか?」と質問する
出身地や年齢など、プライベートなことを聞くのは日本語でも英語でも気を使いますね。特にアメリカ人は、そういう質問を嫌がる人も多いようです。
でも、会話の流れや業務上の必要性から尋ねなくてはならないときは、文頭に May I ask , を付けるとよいでしょう。これだけで、相手を思いやるニュアンスが出ます。
【普通の表現】When did you get married?
いつ結婚したの?
【丁寧な表現】普通の疑問文の前に付けるだけでOKです。簡単ですね!失礼ですが、いつ結婚されたのですか?
②「~していただけませんか?」と依頼する
人に用事を頼むのもなかなか気を遣うものです。相手が上司など気を遣う関係の人ならなおさらですね。どんな表現を使えばいいのでしょうか。
【普通の表現】Please open the window.
窓を開けてください。
【丁寧な表現】たった3語の表現ですが、これだけでぐっと印象がよくなります。Perhaps you could open the window.
窓を開けていただけませんか?
日本人の中には「please を使えば丁寧な言い方になる」と誤解している人が多いのですが、これは止めたほうがいいようです。むしろ、「早くして!」という命令っぽい雰囲気になってしまうこともあるので、あまり使わないほうがいいでしょう。
③「本当にごめんなさい」と丁寧にわびる
「借りたものを失くしてしまった」「言い逃れのできないミスをしてしまった」などなど、心の底から謝るしかない状況というのもあるものです。さてこんなときは?
【普通の表現】I'm sorry.
ごめんなさい。
【丁寧な表現】awful や awfully には単語そのものに上品な響きがあるので、これを使うとぐっと丁寧な感じを出せます。I'm awfully sorry.
本当にごめんなさい。
また、I’m awfully sorry. は、残念な出来事について同情の気持ちを表すときにも使えます。
I’m awfully sorry you couldn't come to the party.これも覚えておきましょう。あなたがパーティに来られなくてとても残念でした。
④「実を言うと~」と 指摘 する
相手に対してネガティブなことを 指摘 する。これもビジネスの場では避けられないことです。こんなときには、どんな表現を使えばいいのでしょうか。
【普通の表現】You didn't do a very good job.
あなたの仕事はあまり出来がよくなかったね。
【丁寧な表現】I'm afraid I have to say, を文の冒頭に付けると、クッションの役割を果たしてくれます。「これから言いづらいことを言うよ」という合図のようなものです。I'm afraid I have to say, you didn't do a very good job.
実を言うと、あなたの仕事はあまり出来がよくありませんでした。
またこの表現は、相手とは違う意見を言い出すときにも使えます。
例えば、ある映画に対して相手はとてもいい評価をしているけれど、自分は今ひとつだったときなどは、次のように言ってみましょう。
I'm afraid I have to say, the movie was a disappointment.「どこが?全然面白くなかったよ」などと言ったら、相手を怒らせてしまうでしょう。だからといって、相手に合わせて自分の意見を言わないのもよくないこと。こういった表現を活用しましょう。実を言うと、その映画にはがっかりしたのです。
⑤「そうできればいいのですが」と断る
何かを断る表現というのも難しいもの。相手の気分を害することなく、「できない」という意思をしっかり伝えるにはどうすればいいのでしょうか。
【普通の表現】No . I can't.
できない。
【丁寧な表現】I can't. というフレーズは、ネイティブ・スピーカーにとってはとてもネガティブに聞こえるそう。「そうできればいいのですが、できないのです」という気持ちを伝えるなら、I wish I could. を使いましょう。I wish I could.
できればいいんですけど。
結果として断ることに変わりはありませんが、相手によい印象を持ってもらえれば、次の誘いや依頼につながるかもしれません。
まとめ
相手への思いやりは、日本語でも英語でもコミュニケーションの基本。また、不作法よりは礼儀正しいほうが、相手に受け入れてもらいやすいのは間違いありません。
ビジネスパーソンとして、大人として、きちんとした英語を話したい方は、ぜひ本書をチェックしてください!

- 作者: デイビッド・セイン,佐藤淳子
- 出版社/メーカー: ジャパンタイムズ
- 発売日: 2018/03/02
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
RELATED ARTICLES関連記事
SERIES連載

キャリア×TOEIC
TOEIC学習では「実際に使える英語力」は身につかないと思っていませんか?連載「キャリアに生かすための TOEIC学習法」では、英語コーチの星名亜紀さんが、使える英語力を身につけるために必要なマインドセットや効果的な学習法を紹介します。

世界が注目する日本人
世界中で活躍する、日本人アスリート達。彼らのことを報じた英語ニュースから、使える表現を学びましょう!

グローバル就職
「グローバル就職」と聞くと、超大手外資系企業への就職のことを想像してしまい、選択肢の外に置いてしまう日本人は未だ少なくありません。しかし今や、「グローバル就職」は一部のエリートや英語が堪能な帰国子女にしか開かれていない可能性ではありません。あなたの可能性を広げてくれる海外就職の現在地を探ります。

英語で討論
英語で意見を求められて、詰まってしまった経験はありませんか?この連載では、毎回身近なトピックを一つ取り上げ、英語で意見を伝えるときに便利な表現を紹介します。