ビジネスで英語を使う人必見! 英語圏の人に伝わりやすい話し方のコツや英語表現などを、英語プレゼンの達人・愛場吉子先生がわかりやすく指導します!
皆さんこんにちは!ビジネス英語研修Q-Leapの講師、愛場吉子です。前回の「ビジネスマン必須!グラフや図の説明の仕方」には、ビジネスパーソンだけでなく英語を教える先生方からもお声をお寄せいただき大変うれしく思っています。
さて今回がいよいよ全6回の最終回です。プレゼンではもちろん、さまざまなビジネスシーンでも活用いただきたい英語の「丁寧表現」についてお伝えします。
英語の丁寧表現とは?
英語はフランクで、敬意を表す表現や丁寧な表現がないと誤解されている方もいるようですが、実は英語には相手との関係性(上下関係や親近感)や、話題の重要度に応じて、実にさまざまな表現のバリエーションが存在し、丁寧な表現もよく使われます。
相手にはっきり意図が分かるように伝えるというのは英語の特徴の一つですが、そのことと「直接的で無礼な言い方をする」ことは全く別のことであると覚えておいてください。
それでは、英語で丁寧度を調整する代表的な手法や表現を5つに分類して説明していきます。
1.助動詞 can、could、will、would、may、might を使う
ご存じの方も多いと思いますが、許可を求めるmay、might、可能性を尋ねるcan、 could、意志や仮定を表すwill、wouldなど、英語の丁寧表現には助動詞が大きな役割を果たします。現在形よりも過去形の方がより丁寧さが出ると言われています。
今お話ししてもよろしいですか?
Could you say that again please?
もう一度言っていただけますか?
You might want to check with the management first.
最初に経営陣と確認された方がいいかもしれません。
2.疑問文、間接疑問文にする
いくら Please を付けたとしても、
私にその報告書を送ってください。
と言ってしまうと、命令文であることに変わりはなく、相手にきつい印象を与えてしまいます。そのような時は疑問文にして相手の意向を伺うことで、丁寧さを出すことができます。
私にその報告書を送っていただけますか?
また、
Do you think you could send me the report?
その報告書を送っていただけませんか?
のように、冒頭にDo you thinkをつけて間接疑問文にすれば、相手にNoと言える余地ができてさらに丁寧になります。
3.mind を使う
Do you mind ...?(~を気にしますか?)は非常によく使われる丁寧表現の一つです。
Do you mind turning the volume up?
ボリュームを上げていただいてもよろしいでしょうか?
仮定のニュアンスを含むwouldを使ってWould you mindとするとより丁寧になります。
4.wonderを使う
wonderは「…かな・かしら」とつぶやくようなニュアンスなので、相手に負担をかけないように質問したり、依頼することができます。
I'm wondering if you could attend the meeting tomorrow.
明日のミーティングにご参加いただけないかと思っておりまして。
5.If 節を使う
頼みにくいことをお願いする時は、if 節で文を始めることもよくあります。
- if possible(もし可能なら)
- if you don’t mind(もしお差し支えなければ)
- if it’s ok with you(もしよろしければ)
- if you are available(もしお時間がありましたら)
などです。
If possible, we would like to change the training schedule.
もし可能なら、研修のスケジュールを変更したいのですが。
If it’s OK with you, let me complete the proposal document.
もしよろしければ、私に提案書を完成させてください。
丁寧度と文の長さ
全般的なことですが、より丁寧に表現しようとすると、それだけ文が長くなる傾向があることも覚えておくといいでしょう。
気軽な依頼
Can I use your pen?
あなたのペンを使ってもいいですか?
軽い話題なのでシンプルにCan I ~の形をとっています。
相手にかなり配慮した依頼
I’m sorry for the last-minute notice, but if you are free this Thursday, could you possibly attend the conference instead of me? I would go myself, but I can’t make it then.
ギリギリで申し訳ないのですが、もし今週の水曜日にお時間がありましたら、私の代わりに例の会議に出席していただけないでしょうか?(私自身)行ければ行くところですが、その日は無理でして。
急なお願いで相手に負担をかけてしまいそうなため、I’m sorry for the last-minute noticeと前置きをしたうえで、if you are available…「もしお時間がありましたら」とif 節を使い、さらに助動詞を使った疑問文 Could you possibly~?という組み合わせで非常に丁寧な表現になっています。また、依頼する以上、きちんと理由を述べている点も重要なポイントです。
いかがでしたか? 細かなニュアンスや意図を、適切な丁寧表現で伝えられれば、コミュニケーションが円滑になり、周りとの信頼関係が醸成され、ビジネスの良い結果にもつながると思います。話す相手や状況を考えて、ご紹介したこれらの手法や表現をうまくご活用くださいね!
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6回にわたり英語プレゼンやビジネスに役立つ英語表現や手法をご紹介してきました。皆さまが異文化環境においてもコミュニケーション能力を発揮して大きな成果を上げられることを願っています!
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愛場 吉子(あいば よしこ)
Q-Leap 株式会社代表取締役副社長。中央大学ビジネススクール講師。筑波大学(国際関係学)卒、コロンビア大学大学院にて修士号(英語教授法)取得。アルクの企業研修英語講師、スピーキングテストの試験官、評価官を経て、2011年よりCalvin Kleinニューヨーク本社のライセンスビジネス事業部にて勤務。2014年に帰国後、大手IT、コンサルティング、メーカーなどでビジネス英語指導に従事。著書に『英語のプレゼン直前5日間の技術』、『相手を必ず味方につける英会話のロジック』(共にアルク)、『英語でプレゼン・スピーチ15の法則』(三修社)他。
構成・編集:Natsue Tanaka