「アルクラボ」はキクタンとかヒアリングマラソンとかを作っている英語の会社「アルク」の事業について、いろいろ調べる研究所。調査員の「辛口ネコ」がサービスの特徴に鋭く迫り、独自のインタビューで分析。今回は「 ESAC(R)認定 英語学習アドバイザー」を調査!
<登場人物>アルクラボの調査員。外では辛口だが、家ではかなりの甘えん坊。
「英語学習アドバイザー」ってなに?
こんにちはー。アルクでESACっていう資格が取れる講座があるって聞いたんだけど、どんな資格? あとESACってなんて読むの? エサック?
辛口ネコさん、こんにちは。ESAC(R)(イーザック)は English Study Advisors' Certificateの略で、英語学習アドバイザー 資格が取得できる講座ですよ。
英語の先生は「英語を教えるプロ」ですが、英語学習アドバイザーは学習者が効率的・効果的に学べるよう的確なアドバイスを行う「英語学習アドバイスのプロ」です。英語の先生も心理的なことも勉強すると思いますが、英語学習アドバイザーはコーチングの要素も含まれています。大きな違いは英語の先生は大勢の前で授業を行いますが、英語学習アドバイザーは個人に対して英語力アップ全般に関わる様々な悩み・相談に対応します。
どんな人が受講しているの?
ふーん、アドバイスをするプロなんだ。ハイパーメディアプロデューサーみたいなあやしい感じじゃないよね? その資格を持ってる人ってどれくらいいるの?
この資格にはいろんな段階がありますが、2016年現在、有資格者は250名ほどいるんですよ。アルクでは2013年度から5つの大学で英語学習アドバイザーに常駐していただいているのですが、この3年間でアドバイザーがどう活躍しているのかを表したのが下のグラフになります。年々学習相談の件数は増えているんですよ。
*アルク英語教育実態レポート[2016年8月] より抜粋http://www.alc.co.jp/company/report/pdf/alc_report_20160831.pdf
へえ~意外と需要はあるんだね。で、ESACってどんな人が受講しているの?
そうですね、英語の先生が学生のモチベーションをアップさせるために受講しているケースが多いですね。その他には、企業の人事担当者や企業研修を行っている方が、社員の能力を底上げするためにこの知識を身につけたいというケースもあります。大学職員の方やTOEICの先生、子ども英語の先生などもいらっしゃいますよ。中学生のやる気を引き出したいという塾講師の方もいらっしゃいます。
それはすごいラインナップだ。英語の先生と一口で言っても意外と幅広いんだね。そもそもどうしてこういう資格を作ろうと思ったんだっけ?
英語学習アドバイザー資格制度スタートのきっかけは?
12年ほど前、2005年になりますが、当時英語学習者が急に増加し、それに伴い自己流の英語学習に行き詰まり、どうやって学んでいいかわからない方が増えていました。その時に学習方法や、やる気のない時のモチベーションアップのアドバイスができるプロを輩出しようとしたのがきっかけです。学習オートノミ―のはしりとして、自律学習を理論的にアドバイスできる、自己学習を進めるための学習サポートをする資格として発足したのがこの「英語学習アドバイザー 資格認定制度」です。
英語学習アドバイスのプロの資格なんてまた、マニアックなところに目を付けたよね。具体的にはどんなアドバイスをしてくれるの?
一般的には下記のようなご相談が多いです。
大学生からは
が多く、下記のグラフで分かりますように2013年からの3年間、大学1年生、大学院生からの相談が特に増えています。
*アルク英語教育実態レポート[2016年8月] より抜粋http://www.alc.co.jp/company/report/pdf/alc_report_20160831.pdf
でも、考え方によっては英語だけでなく、いろんな学習に応用できそうな資格だね。
精神面、学習面、環境面の3つの側面からアプローチしています。アドバイザーが個々に寄り添いながら総合的に見て、アドバイスします。大きく異なる点は英語の先生は英語を教えますが、アドバイザーは英語を教えません。英語の学習の仕方を教えるのです。
スタンスが違うということか。
英語の先生は1対大勢なので、時間的に個々の学習者を見る余裕がない場合もありますが、1人1人に合わせた対応をアドバイザーはできます。成人の学習は”やる気”がポイントでモチベーションが保てないという相談が多いです。やる気を維持しつつ、学習者と相談しながら計画を決めて、計画(plan)、実行(do)、評価(check)、改善(act)のプロセスを順に実施するPDCAのようなサイクルでどうやって学習を続けていくか、うまくいかなかった時もどうやったらできるようになるか掘り下げていきます。1回相談して終了ではなく、その方が希望するまでアドバイスは続きます。
時間をかけて、その時の状況をみながらアドバイスするのはいいね。短時間でいろいろなことを一気に教わっても情報量が多すぎて消化しきれない時があるからね。
答えをポンと出すのは簡単ですが、どちらかというと、本人に考えてもらい、本人の中から答えを出してもらう。時間も手間もかかりますが、一方的に「こうしなさい」と言うより、自分で答えを出すように促したほうが、良い結果を生むことが多いようです。
ふうん。じゃあ、この講座を受けるとコーチングのスキルが身に付くってこと?
そうですね。この教材には“傾聴(けいちょう)”の部分が初めにあり、相手の情報をうまく引き出すコツが書かれています。まずは話してもらうという点に重きを置いています。模擬アドバイジングも動画で見られますよ。
【Initiative for Professionalsシリーズ】ESAC(R)認定 英語学習アドバイザーコース(視聴DVD)
資格を取るとどんなメリットがある?
でも、資格を取るって時間もお金も使って結構大変なことだと思うんだけど、この資格を取って何かいいことあるの?
3,4年前から大学などの教育機関に英語学習アドバイザーなどの需要が増えています。週に数日勤務というところもあれば、常駐する場合もあります。
政府も現在「トビタテ!留学JAPAN」という留学促進キャンペーンを行っていることもあり、アルクには留学についてアドバイスする留学アドバイザーとしての仕事や、企業や大学等での講演、学習法セミナーの講師、通信講座の執筆者という道などもあります。近年、企業でもTOEICスコアが昇進昇級の条件になっているところが増えています。企業へもビジネスパーソン向けにTOEICの学習法について個別アドバイスに行ったり、時間がない場合は少人数のグループで行ったりすることもあります。