日本人英語の伝わり具合を、72人のネイティブ・スピーカーが評価!
学校での文法&単語重視の英語教育のせいか、ちまたではかなり評判が悪い「日本人英語」。いわく、「その言い方は、実はネイティブに失礼」「その言い方は、日本人にしか通じない」・・・などなど。はたして本当にそうなのでしょうか?誰かネイティブに確認してみた人はいるのでしょうか?
「実際にネイティブに確認しました!」というのがこの本、『本当はちゃんと通じてる!日本人エイゴ』です。
しかも確認した相手はひとりではありません。総勢なんと72人。アメリカ、イギリス、オーストラリアなどの英語圏に暮らす、年代・性別もさまざまなネイティブに、アンケートを実施。「ネイティブにはこんなの通じないよ」とされる英語フレーズが、本当はどのくらい伝わっているかを、次の3段階で徹底検証しました。
アンケートの結果は、「〇が75%」「△が25%」という具合に、パッと見てわかるよう円グラフにまとめています。
著者は、ご自身も日英バイリンガルであるカン・アンドリュー・ハシモト氏(通称カンさん)。「実際のコミュニケーションの場で通じるかどうか」という視点から、対象となる日本人英語が適切かどうか、また、適切でない場合はどのように表現すればいいのかについて、丁寧かつ軽快に解説してくれます。その温かな語り口や随所にちりばめられたユーモアを楽しみながら、気楽に読み進められるのも、本書の大きな魅力です。
あの教科書フレーズ、ネイティブは使わない?
例えば、こんな話を耳にしたことはありませんか?「日本の教科書に載っている英語フレーズは古臭い」「ネイティブにとっては堅苦しく感じられる」というもの。
日本の英語教育でよく習うこのやり取りは、ネイティブにとっては不自然。実生活では使わない。
まず「“How are you?”と聞かれたら?」という問いに対するネイティブたちの答えは、◯が98%、△が2%。まず問題ないようです。「“Fine, thank you.”と返事されたら?」という問いに対しては、◯が100%。「old-fashioned(古風な)言い方では?」との声もあったようですが、20代の女性もこの言い方をするそうなので、結局取り下げになったとか。
カンさんによれば、これらのフレーズは「最もsimpleでnormalでnatural」。まずはこれらのフレーズを使うことから初め、慣れてきたら“Fine.”だけでなく、「自分の体調や心の状態に一番合った言い方もちょっと覚えて言ってみる」ことをすすめています。ネイティブに太鼓判を押してもらえば、安心して使うことができますね。
大丈夫、相手も察してくれる!
続いてこちら。文法的にちょっとでもおかしな部分があると、ネイティブには誤解されてしまうのでしょうか?
レストランで「あれと同じのをください」と言おうとして、
Can I have the same dish as that one?
・・・というと「皿を食べたい」という意味になる
これに対して、「ダメじゃないよ~!皿を食べる人、いないでしょ」とカンさん。レストランでウエイターに対して言うシーンなら、全く問題ないとか。ほかのネイティブたちも75%が◯としています。残り25%も△。「oneがpersonを指すのかdishを指すのかちょっと引っかかる」という声もありましたが、まず問題なく相手に通じるようです。
ちょっとした文法の間違いに神経質にならなくても、相手には、結構意図したことが伝わっているもの。実際のコミュニケーションはテストではありません。多少こちらが間違ったとしても、相手も察してくれるし、わからなければ聞き返してもくれます。まずは積極的に言葉を発してやり取りすることで、交流が発展させていきたいですね。