筋トレにもTOEICにも「壁」がある
受験回数がまだ数回だったり、英語学習が久しぶりだったりするTOEIC初心者の勉強法について前回の記事で解説しました。今回はその続きです(前回同様、ハマー先生のお話をもとに編集部で構成・執筆)。
もちろん、いろいろな難しさはあるのですが、学習の習慣化にさえ成功すれば、伸びしろが大きい分、スコアアップ自体はあまり難しくありません。
TOEICトレーニングのビッグスリーに集中的にとりくむこと、試験に慣れることで100点、200点程度の上昇が望めるはずです。
一方、ある程度の実力とスコアをもつ、中上級者のトレーニングは、また別の難しさがあります。「800点の壁」「900点の壁」というやつです。
ベンチプレスは100KGの壁
例えば、筋トレの人気種目(ビッグスリーのひとつ)にベンチプレスがあります。一般的な成人男性は、40KG~50KG程度の重さからトレーニングをはじめる方が多いのですが、開始直後の2~3か月は、多くの場合、扱える重量が面白いほど伸びていきます。
そして、40KGが翌月には50KGに、3か月後には60KGに、というような速度で成長するので、トレーニングもどんどん面白くなってきます。
しかし、難しいのがここからです。人によって差はありますが、開始半年、1年たってくると、重量はなかなか増えなくなります。
「80KGから90KGになるのに6か月かかった」「95KGでぴたっと成長が止まってしまった」というようなことがよくあります。「ベンチプレス100KGの壁」という言葉もあるくらいで、多くの方がこのあたりで停滞(プラトー、plateau)を体験するのです。
成長が実感できないとなると、トレーニングの面白さは半減します。また、焦って最大重量に挑戦し続けた結果、ケガをしてしまう場合もあります。筋トレへの意欲そのものを失ってしまう方もいます。
プラトー打破のコツ
しかし、プラトー打破のためのTipsはいろいろあるので、対策は可能。例えば、次のような工夫が有名です。
トレーニングの種目を変える
大胸筋以外の筋肉にも効く「複合的」なトレーニングであるベンチプレるではなく、大胸筋に「フォーカス」した刺激が入れやすいフライ系の種目を行う。あるいは、ベンチプレス以外の複合的な種目に挑戦する(ダンベルプレス、ディップスなど)。
トレーニングの方法を変える
種目は変えないが、トレーニングの組み立てに変化をつける。例えば「75KGで3セット」を基本にしていたところを、80KG、65KG、50KGと重さを変えたセット構成にする。
強度を上げる
ある重さで限界まで達した後に、少しだけ重量を減らし、すぐまた限界まで追い込む「ドロップセット」や、他の人に補助をしてもらうことで限界を超えた重量・回数を挙上する「フォーストレップ」などの激しいトレーニングを行う。
TOEICで壁を打破する中上級者向けの学習法
そして、これらの考え方はTOEICにもあてまります。
トレーニングの種目を変える
基本的なテキストの内容が定着しており、試験や模試などの複合的な演習もある程度経験しているなら、あるパートにフォーカスした中~上級者向けの教材に取り組みましょう。書籍選びでは、ぜひこちらのチャートを参考にしてください。
トレーニングの方法を変える
速読を減らして精読を増やしてみる、パート別の学習を控えて模試の回数を増やしてみるなど、勉強時間の配分を見直します。量や順序、時間帯が変わることで、同じ教材からでも新鮮な刺激は得られます。
強度を上げる
制限時間を規定よりも短くして模試に挑戦する、普通よりも早いスピードの音声を聞いてみるなど、強度を上げる工夫もいろいろできます。チャートでも紹介していますが、書籍では「鬼変」「BEYOND」などまさにぴったりのものもあります。

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続けることが何よりも重要
筋トレやTOEICに限らず、成長のグラフはきれいな直線にはなりません。むしろ、階段状なものです。
停滞の時期があってもそれは当たり前と余裕で構え、ここに挙げたような工夫を楽しみながえらトレーニングを続けましょう。